2010年8月アーカイブ

勧告的意見のうち5件は、国連行政裁判所(Administrative Tribunals of the United Nations)および国際労働機関(ILO)の裁定について判断を示したものです。


裁判所に近年提訴された事件には、政治的変動あるいは地域紛争を背景とするものも含まれています。


アメリカの駐イラン大使館が占拠され、外交官や領事館職員が拘禁されたことに関してアメリカが提訴した事件では、裁判所は1980年、イランは人質を解放し、大使館を返還して賠償を支払うべきだとの判決を下しました。


しかしアメリカ、イラン両国間で合意が成立したため、この提訴は賠償額を決定する以前に取り下げられました。


またイランは1989年、アメリカの軍艦「ビンセンヌ」によるイラン民間航空機撃墜事件を糾弾して、アメリカにはイランに対して補償を支払う責任があることを明らかにするよう提訴しました。


ニカラグアは1984年、アメリカが同国に対して軍事力を行使し、内政に干渉していると訴えました。


これに対し、アメリカは国際司法裁判所には管轄権がないと主張。


しかし裁判所は書面および口頭での審理ののち、管轄権はあり、ニカラグアの提訴は受理できるとの判断を示しました。


アメリカはこの判断のみならず、裁判所が1986年に下した、アメリカは、ニカラグアに対する義務に違反しており、問題となっている行動を控えて賠償を支払わねばならないという判断についても受け入れを拒否。


裁判所はニカラグアから、賠償の形態と金額を決定するよう要請されています。


ニカラグアは1986年にコスタリカとホンジュラスを相手取り、国境地域での武装活動に関する両国の責任を追及する訴えを起こしました。


コスタリカに対する訴えは合意によって取り下げられましたが、ホンジュラスに対する訴えは未解決であり、裁判所は1988年、この件に関しては管轄権があることを確認しています。


1973年に、オーストラリアとニュージーランドがそれぞれフランスを相手どり、フランスが太平洋で実施した大気圏内核実験のために放射性降下物が蓄積していると訴えました。


裁判所はこれに応じてフランスに対し、最終的な判断が下るまではこの種の実験を控えるべきだと指示しました。


しかし、その後(1974年)、1974年以降は大気圏内核実験を差し控えるとフランス政府が声明したため、両国の訴えにはもはや意味がなくなったとの判断を示したのです。


総会が要請した勧告的意見のなかには、国連と加盟国の関係に関するものもあります。


そのひとつは国連のパレスチナ調停官が暗殺された事件に関して1949年に出されたもの。


国連には、その代理人に対する権利侵害に関して加盟国に損害賠償を請求する権利があるという判断を下しました。


1988年にアメリカがパレスチナ解放機構(PLO)のニューヨーク事務所の閉鎖を命令したことに関する国連との紛争に関して、アメリカは国連本部協定に基づき、調停を受け入れる義務があるという見解を示しました。


また、中東とコンゴにおける平和維持活動経費の拠出を一部の諸国が拒否したことについても勧告的意見を示しています。


1962年、この種の経費は憲章に基づき、すべての加盟国が分担すべきだとの判断を示しました。




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