ヒトは、時間の長さをふつう、1日の長さ、1年の長さ、ヒトの1生の長さで測るので、それより長い時間を感覚でとらえることが難しいでしょう。
ですから、クローン成長だけで1つの系統が何百年、あるいは何千年もの問維持されていることがわかれば、十分に成功しているように感じてしまいます。
しかし、地球の歴史や生命の歴史を眺めるのにふさわしい時間スケール・・・
つまり何十万年、何百万年といった時間スケールで眺めてみると、そのような系統はいずれも著しく短命であることがわかります。
・・・というのは、減数分裂を省略して無性的なクローン成長で維持されている系統(種、変種など)には、必ず近縁の有性生殖の系統が認められます。
そして、それが比較的最近にその有性生殖の系統から分かれたことを示すことができるからです。
サクラソウも、クローンの寿命がかなり長いです。
しかし、その個体、群の長期的な維持や遺伝的な変異性の確保のためには、やはり有性生殖が健全に行われなくてはなりません。
それは、花が咲いて実を結び、種子が生産されることによってはじめて可能になります。
個体の寿命はどれほど長くても必ず限りがあります。
種子による繁殖がうまくいかなければ、その系統はいずれ絶えてしまうのです。