今までにサクラソウでみつかっている等花柱花は、柱頭も繭も低い位置にあるものです。
瞳が奥に引っ込んだ、くぼんだ目をもつ花といえばよいでしょうか?
このタイプのものは、繁殖のうえでも特異な性質をもっています。
自分の花粉を受粉して自殖で種子をつくる性質、つまり自殖能が大きいのです。
植物が他殖を行うためには、配偶者以外にどうしてもポリネータが必要です。
ポリネータの助けを借りなければ、他の個体との花粉のやりとりができません。
ところが、ポリネータとなる動物が花を訪れるのは、もっぱら餌を採るためです。
ポリネータが餌集めに必死になっている間に花粉を体のちょうどよい位置に付着させたり、それが首尾よく他の花の柱頭に落ちるように仕組むのは花のほうです。
そのような花の工夫があれば、動物たちは全く意図せずにポリネータとして働いてしまうのです。
植物界においてどちらかといえばめずらしい異型花柱性が、一体どのような意味をもつのか。
また、何に役に立っているのかについて、はじめてはっきりした形で見解を述べたのは、チャールズ・ダーウィンです。