例えば企業間の取引では、原則として国定価格を廃して、契約で取引価格を決めることになっています。
しかし、特に企業活動に不可欠な生産財などは、独占的に生産している企業が少なくありません。
競争原理が働かないままにペレストロイカは発進したといってもよいでしょう。
無競争状態の独立採算制の下では、逆に卸売物価の高騰を招きかねないのです。
また、卸売市場を機能させるには、政府の補助金撤廃によるあくまで需要と供給に基づいた新価格体系への移行は避けられません。
・・・しかし、物不足をそのままにしての急激な改革では物価高騰を引き起こす可能性も大きいでしょう。
88年10月末のソ連最高会議が89年度の経済計画案で消費財と食糧の生産を最優先課題とする民生型にしたのも、国民生活の不満を回避し、ペレストロイカを軌道に乗せるための緊急措置と言えそうです。
ソ連最高会議で採択した89年度国民経済発展計画では、消費財生産の伸びを生産財生産の2.3倍に設定。
実質国民所得の伸びも88年度目標の2・7%を上回る3・1%とするなど、国民生活向上に力を入れる姿勢を明確に打ち出しました。